ギフト&新生活

Update:
2019/09/28

フードジャーナリスト・小松宏子さんの料理エッセイ

新米花嫁に贈る「毎日をちょっと美味しく」【第9回】基本のバーベキュー「コースの組み立て方編」

「25ansウエディング オンライン」の人気コンテンツ、「フードジャーナリストの小松宏子さんがセレクト!」シリーズでもおなじみの食のプロフェッショナルである小松宏子さん。そんな小松さんの「美味しいものを作りたい!」という日々の思いをエッセイに書き留めていただくこの連載、もっと料理が上手になりたい!と思っている新米花嫁のみなさまに向けて、「毎日をちょっと美味しく」する料理のコツを伝授します。第9回は、前回に続いて、小松さんの家のお庭で毎年行われているという「バーベキュー」。ちょっとエレガントに、BBQのコースの組み立て方を教えていただきました。

  
BBQでもエレガントにできるその組み立て方とは? 
 
 秋風が頬に心地よい頃になると、美味しいものをいただくためのBBQが楽しみになります。夏はひたすら肉~!ですものね。今回は、BBQをエレガント(笑)に楽しむための、コースの組み立て方をご紹介します。コースというからには、前菜的なものから始まって、魚介、肉へと進んでいくわけですが、日々の献立においても私は「流れ」、つまり、食べる順番を大切にしています。これで美味しさが全く違ってしまいますから。  
 
小松家の鉄板アペリティフ  
 

BBQ-1

 
 さて、何人かを招いての集まりとなると、全員揃うまでに時間がかかるものです。そんなときに、泡を開けて、気軽につまめるものを用意します。我が家の定番はオリーブのレモンガーリック風味と、プチトマトのセミドライ。これほど簡単なものはないのに、必ずほめられるという嬉しい2品です。オリーブはグリーン、ブラックそれぞれ大小2種ほどをそろえます。瓶詰めなら水を切って、ジップロックのコンテナなどの密閉容器に入れ、EXV(エクストラヴァージン)オリーブオイルで満たします。レモンの皮数片と、にんにくの薄切りを2~3片入れて密閉。半日以上おけばOKです。これは、料理家の長尾智子さんに、25ansで連載をしていた20数年前にならったもの。ただ、問題は、今も昔も美味しいオリーブのなんと少ないことか!なんですが、「パーク ハイアット 東京」のデリカテッセンのオリーブなら間違いなしです。 
 プチトマトはオーブンシートを敷いた天板の上に並べて120℃で1時間~1時間半ほど乾かし焼きします。見た目がしわしわっとなって、果汁が表面に出てくるくらいになったらOKです。ここまで水分をとばすと、驚くほど味が甘酸っぱく濃くなります。これをEXVオイルに漬けるだけ。初めて食べる方にはいつも、どこの高級トマトなの? と聞かれますが、いえいえ、普通のプチトマト。これは、料理研究家の井上絵美さんに習ったものです。  
 
いよいよコースのスタートです!   
 

BBQ-2

 
 さあ、皆さん揃いました。炭もほどよくおこってきました。まずは、誰もが好きな、帆立貝の炭火焼き。下ごしらえいらずなのが何よりですね。口が開いてきたら、上の殻をはずし、醤油とバターを落とし、好みでレモン汁を搾ってどうぞ。 
 
魚のメインディッシュが登場!  
  

BBQ-8

 
 
 次は、魚料理のメインディッシュ、鯛のうろこ焼きです。この料理はちょっと気に入っています。全長35cmほどの鯛を用意します。魚屋さんに「うろこは引かず、お腹だけ出してください」とお願いしましょう。“うろこをつけたまま焼く”のがポイントなのです。表面と、お腹の中に強めに塩をふり、ローズマリーやタイムなどのハーブを詰めます。オーブンを併用して、200℃で15分ほど、こんがりと焼いておきます。同時にトマト4~5個は炭火の上で皮が黒くなるまで焼きます。事前ににんにくの粗みじん切りをオリーブオイルで香りが出るまで炒めておきます。その鍋に炭火からおろしたトマトをつぶしながら入れ、強火で煮詰めていきます。そう、これは、ペンネアラビアータでお教えしたトマトソースと同じ手法です。オーブンから出した鯛は、網の上でさらに香ばしく焼きます。ソースが出来上がったら、鯛の皮をはぎ取ります。うろこをつけたままにすることで、皮がカパッとはずれ、皮とうろこに守られた身は驚くほどふっくらしっとりと焼けています。その身に、トマトソースを添えれば、う~ん至福! これは、料理研究家のコウケンテツさんが、南仏の漁師さんに習ったという焼き方。実に理にかなっていますね。BBQをした直後に撮影でお会いする機会があったので、鯛のうろこ焼き、すごくうまくいきました、とお話したら、「お礼は、フランスの漁師さんに言ってね」と、恰好よすぎる返事が返ってきました! 
  
誰もが大好きなチキンシーザーサラダ 
 

BBQ-3

 いよいよ、お肉バージョンです。まずは、何回お出ししても喜んでいただける、チキンシーザーサラダです。鶏もも肉は余分な脂肪を取り、塩、こしょうをすり込みます。にんにくの薄切り数片とローズマリーとともに、ジップロックに入れて、3時間ほどマリネ。皮目から焼き、5分ほどでひっくり返して裏面も5分ほど焼き、さらに返して5分、5分で焼き上げます。焼けたら、5~6分ほど休ませ、2cm幅に切ります。器にロメインレタスをざくざくと切って入れ、シーザードレッシングをたっぷりかけ、鶏肉をのせ、上からもドレッシングをかけます。はい!鉄板の美味しさです。 
 
メインの和牛の絶対失敗しない焼き方とは?  
 

BBQ-9

 
 メインディッシュは奮発して、黒毛和牛もも肉を塊で焼きました。下味は塩、こしょう。完全に常温に戻しておいた肉に、一面が真っ白になる感覚の半分くらいまでふります。焼き方は前回の骨付きの豚ロース肉と同じ休ませ焼き仕上げ。強火で表裏7分ずつ。次に、側面に2~3分ずつ焼き色をつけ、弱火のエリアに移して、裏表7分ずつ焼きます。さらに炭火のないエリアに移して10分休ませればOKです。  
 

BBQ-7

  
 
これだけの肉だと、ソースはもういりません。このときは花山椒と、山わさびを添えました。これは実は、日本が世界に誇る日本料理店「龍吟」のお料理のアイデアを拝借したもの。旬の短い出会いものとして楽しみましたが、もちろん、山葵をすりおろして添えるだけで最高です。
 
本日のコースの美味しい締めの一品  
 

BBQ-4

 
 
 そして、締めの一品です。我が家では、上記の牛肉をステーキサンドにすることもあれば、パティを作ってハンバーガーで絞めることもあります。今年は、焼きおにぎりのスープかけご飯にしました。握ったご飯に醤油をはけで塗り、熾火になった網の上にのせて、乾かすようにじっくり焼きます。かけるスープは、先ほど焼いた鯛の骨とアラをぶつ切りにして昆布と一緒に鍋に入れ、煮出したものです。熱々の焼きおにぎりをお椀に入れて、塩で味を調えたスープをはり、上には花山椒をたっぷり。秋ならば、松茸などを焼いて入れるのもいいでしょう。 
 こうしてストーリー性をもたせてメニューを組み立てると、とても楽しいおもてなしができることがおわかりいただけましたか? あくまで炭火を主役に、ときにキッチンのガス火やオーブンを併用することで、調理の幅がぐっと広がります。ただのワイワイ肉焼きだけではない、コース料理としてのBBQを楽しんでみてください。  
 
→次回は「新米ごはんの炊き方とお味噌汁」をお届けします! 
 
これも読みたい関連記事
新米花嫁に贈る「毎日をちょっと美味しく」【第1回】アサリの酒蒸し
新米花嫁に贈る「毎日をちょっと美味しく」【第2回】幸せのスープ
新米花嫁に贈る「毎日をちょっと美味しく」【第3回】鉄板おかずの肉団子
新米花嫁に贈る「毎日をちょっと美味しく」【第4回】基本のおだし
新米花嫁に贈る「毎日をちょっと美味しく」【第5回】シンプルトマトソースのペンネアラビアータ
新米花嫁に贈る「毎日をちょっと美味しく」【第6回】自分で作るドレッシング 前編
新米花嫁に贈る「毎日をちょっと美味しく」【第7回】自分で作るドレッシング 後編 
新米花嫁に贈る「毎日をちょっと美味しく」【第8回】基本のバーベキュー「お肉&野菜の美味しい焼き方編」

 

撮影/石原麻里絵〈STUDIO BANBAN〉 料理・文/小松宏子

komatsuAKI_0070

 
 
小松宏子さん  
 
Profile  

フードジャーナリスト。祖母が料理研究家の家庭に生まれ、幼い頃から料理に親しむ。雑誌や料理書を通して、日本の食文化を伝え残すことがライフワーク。近刊に『トップシェフが内緒で通う店150』(KADOKAWA)。

from ELLE mariage

Pategop